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「ファロウェラ」飼育における“pH(ペーハー)”

皆さん、こんばんは。ファロ支部ybkjです。

今日は本当に暑かったですね。。。都心にある私の事務所は、ヒートアイランドで有名な地域にありまして、アスファルトの照り返しと無風な条件が重なり、エアコンが入っているとは言え、異常な暑さでした。。。

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さてさて、今日のお題は、「ファロウェラ」を飼う上で、溶存酸素の確保と肩を並べるくらい重要な「pH(ペーハー)」について、すこしまとめておきたいと思います。

皆さんは、ご自分の水槽の水質を把握されてますでしょうか?はたまた、蛇口から出てくる水道水の水質を知ってますか?

まぁ、だいたいの方々が気にされていると思います。そういう方々のほとんどが、水質を測った事があったり、試薬を持っていたりしていると思います。。。

お魚を飼い始めてしばらくすれば、お魚が急に死んだり、水草が上手く育たなかったり、思いも因らぬ様々な問題に直面しますし。。。
そのたびに、アンモニアだの亜硝酸だの、KHだのGHだの、そしてpHだの伝導率だの、知らず知らず色んな水質を測る道具が、水槽の横に並んでいく、と・・・。正しい“アクアリスト”でありますね。。。(そういう私も例外ではないです・・・)



では、


何のために「pH」を測っていますか?


と質問されたら、なんと答えますでしょうか??









そもそも「ファロウェラ」と言うお魚を飼育していく上で、誤解されていることがあります。それは、水質についてです。。。
よく言われているのは「このお魚の適応水質は、弱酸性~中性」と言うものです。確かに間違ってはいません。しかし、このような的を得ない抽象的な水質では、このお魚は驚くほどあっという間に死んでしまいます。。。
また、水槽を立ち上げて間なくの水槽にありがちな「pH7.5の環境」では、100%死んでしまいます。。。


結論から申し上げると、実際の「ファロウェラ」長期飼育では、pHをなるべく出来る限り低く保つことが重要です。それには、大きく分けて3つの理由があるからです。。。



一つ目は、「生息環境に近いpH」。。。
「ファロウェラ」は、南米の各地に散らばって生息しており、その範囲は、オトシンやプレコなどより広いと言われています。ですから、当然、採集される現地の水質もまちまちです。しかし、25種類居る「ファロウェラ」も観賞魚として流通している種類となると、その種類は一気に少なくなります。また、最も流通している種類の「ファロウェラ」は、ほとんどがベネズエラとコロンビアからの個体です。
つまりはオリノコ川の水質に近づけてあげることで、長期飼育が可能になると考えております。。。一言でオリノコ川と言っても莫大な流域面積ですから一概には決め付けられませんが、大体pH5.0~7.0と言われています。



二つ目は、「病気の予防」。。。
購入時の状態にも左右されますが、「ファロウェラ」は病気に非常に弱いお魚です。特にエロモナスやカラムナリスなどの細菌性の病気には敏感です。それらの細菌性の病気の大半は悲しいかな、プロであるはずのショップからの“持ち込み”が原因だと思います。購入時に、既にお魚自身も感染しているかもしれません。(発症していないだけかも・・・)
そういった状況でも、pHを低くしておけば、自分の大事な水槽でそれらの病気が発症することはありません。あわよくば、感染自体、治癒することだってあり得ると思います。具体的には高くてもpH6.0以下に保ちたいです。
ちなみに、白点病、ウーディニゥム病に関しては、いくらpHが低くても持ち込んでしまう場合がありますので購入時には細心の注意が必要です。しかし、白点病はpHを極々低く保つと、蔓延しないような気がします。



三つ目は、「水換え」。。。
「ファロウェラ」が簡単に死んでしまう理由の一つに水換えがあります。「ファロウェラ」は決して新しい水が嫌いなわけではありません。しかし、ちゃんとした水換えをしないと、脆弱なエラが耐えられないようです。
つまり極論を言えば、水換えはなるべくしない方が「ファロウェラ」飼育には良いのです。。。一般的には、古い水の方が良いとも言われていますが、それは、水換えの方法が悪い人の言い訳かな?。。。

(間違わないで頂きたいのは、“水換えによって変動するであろうpHによるショック”ではなく、“密度の薄い水で水換えすることよって発生する、浸透圧の変動によるショック”に非常に弱いということです。)


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ファロ支部の全水槽のKHは、ゼロ(未検出)もしくは限りなくゼロに近い数値になっています。(KHとpHの関係については、私より詳しい方々が説明してくれておりますので、調べてみてください!)

こうすることによって、pHを自在にコントロールするばかりでなく、水換えのタイミングを知る重要な指標にもなるのです。。。

ご存知の通り、お魚の排泄物や老廃物は好気性バクテリアによって、最終的には「硝酸イオン」に変化します。その硝酸イオンは強い酸性を示す物質です。
という事は、ろ過がきちんと機能していて、KHがゼロの水槽ならば、その水槽の『pH』は、硝酸イオンの量に比例して下がるはずです。。。

つまりは、「pH」の降下状況を見ながら、水槽の飼育水の汚れ具合が判るというわけです。それにも増して、上述の通り、病気の予防をしてくれて、「ファロウェラ」の好きな低pHも維持できるわけですから、正に一石二鳥なのです。



そこで、先の質問の答えです。ファロ支部なら、こう答えます。

「pHは、水換えのタイミングを知る、最も簡単で最も有益な水質情報です。」と。。。






ファロ支部の水槽は、pH5.5が基本。(緑倶楽部はpH4.2)
どの水槽も水換え後は、大体pH6.0ぐらいになります。。。(緑倶楽部はpH4.5)
そして、水換えタイミングの値は、pH4.5~4.8です。。。(緑倶楽部はpH4.0)
ここまで下がるのに約10日~2週間掛かるのが平均的日数です。ちなみに、水換えする水の量は、その時の水槽の状態と、次回いつ水換え出来るか?と相談して決めます。なので、足し水だけの時もありますし、半分換える時もあります。しかし、決して「1週間に3分の1」などと根拠のないやり方はしません。

ついでに申しますと、pHショックなんざ、この世に存在しません。だいたい、そんなもんがあったら、水換えした段階で、み~んなpHショックであの世行きですよ。。。



あれっ?何か自然と「喧嘩売ってんのか!」みたいな締めくくりになってしまいました。。。
決して、喧嘩売ってるわけじゃ~ありません。。。
「ファロウェラ」を長期飼育していく方法を模索していくうちに、結構、アクアで言われている常識って実は嘘っぱちばっかなのに気づいてしまったんです。。。





ちょっと待って。。。ってことは、『pH』よりも『KHをゼロ』にする方が重要??

ってことだよなぁ~。。。



by ybkj | 2006-08-08 01:04 | 枝の飼育

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