「ファロウェラ」飼育における“エサ”

皆さん、こんばんは。ファロ支部ybkjです。

自らに課した「ノルマ」に日々苦しみ、、、風呂に入りながらネタを考え・・・。。。
ふぅ~、、、皆さん、凄いなぁ、、、と関心する今日この頃です。
今月は、ちょっと長めの海外出張が控えており、、、更新スピードを上げなければ・・・、と、あせっておるのですが。。。


それはそうと、、、
ここのところ、難しい話をしていなかったので、今日はちょっと深い部分まで行ってみます。


では、早速。


アクアリストなら必ず経験する「コケ」との戦い。。。その憎きコケを退治するためにありとあらゆる手段を講じていると思います。その中でも、『生物兵器』を利用されている方は多いですよね!代表的なのが、オトシン、エビ、巻貝、フライングフォックスあたりでしょうか?その他にもロリカリア、ペンシルフィッシュなど居ますが、こちらは先ず意味がないでしょうな!
(中にはありがたい事に「ファロウェラ」を選んでくれるアクアリストもいらっしゃいます。。。感謝感謝)

で、最初は目に見えてなくなるコケですが、そのうち、「コケを食べなくなった」「アカムシ食べた!ひょぇ~!」「最近サボる」など、生物兵器たちにクレームをつけるアクアリストも少なくないのではないでしょうか?

今回は、基本的には「ファロウェラ」の食性を紐解きながら、近縁種の「オトシン」や「ロリカリア」「プレコ」にも応用できるお話を進めていきます。。。


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底砂掃除をした時にうっかり吸い出してしまった「エキノドルスの根」を盛んに食べるファロウェラ





ファロウェラをはじめロリカリア科に属するお魚が生きていくことにとって、とても大事な栄養素があります。それは、『リグニン』(日本語だと『木質素』)という高分子化合物です。最近では、第2の食物繊維などと言われている植物の細胞壁に必ず存在するものです。(リグニンの化学式とか利用法とかは、専門サイトがありますので見てみると面白いです)

その『リグニン』は、植物である限り、どんな植物にも存在しており、その量もセルロースにつぎ多量に含まれています。では、どんな作用があるのでしょうか?

あくまでも一説として言われていることですが、ロリカリア科のお魚は、食べた動物性のタンパク質を自分の消化器官では分解出来ないと言われています。その消化を「リグニン」が担っていると考えられています。実際は、「リグニンを自分の消化酵素などで分解し、タンパク質と反応させて消化しているのか?」、それとも、「リグニンを分解するバクテリアが内臓内に共生していて、彼らがリグニンを分解したものを利用して消化しているのか?」は判っていないようです。。。

が、我々のような素人は、そこまで考える必要はなく、「ロリカリアにはリグニンが必要」と覚えておきましょう!

勘のよいアクアリストは、これで何故「ファロウェラをはじめロリカリア科のお魚」がコケや流木や水草を食べるのかが、お解かり頂けたと思います。


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アカムシを食べて、口の中が赤くなったオトシン。


2004年に発表された論文に面白いのがあります。タイトルは、
"Feeding habits of fish from a stream in the savanna of Central Brazil, Araguaia Basin "
適当に訳すと『中央ブラジルに流れるアラグアイア流域に生息する魚の食習慣』とでも言いましょうか!?(ちなみにアラグアイア川はトカンチンス川に流れ込む川です)

偉いというか暇と言うか、、、ありとあらゆる何十種類もの魚の胃袋を調査した、、、と言うすごい論文なんですが・・・。

そこには当然『ロリカリア科』のお魚も何種類か掲載されています。そこには、非常に興味深い調査結果が残されておりました!


なんと、ファロウェラの胃袋の中は;-
「プランクトンの死骸」 80%
「水生昆虫」  1%
「枯れ葉・花」 1%
「節足動物の死骸」 1%
「コケ類」  2%
「その他」  15%
でした!!これは、驚きではないでしょうか?まぁ、実際のところ、プランクトンの死骸とは言いますが、ミジンコのようなものから昆虫の幼虫なども含まれているのではないかと推測します。それよりも驚きなのは、コケと枯れ葉など植物性のものは、合計でたったの3%だけしか摂取していないって事です!!


と言うことはですよ、、、先に述べた消化を助けるために必要なリグニンを3%摂取するのに、80%の“お肉”を食べる必要があると言うわけです。。。

つまり、何を言いたいか?と言うと、世間で言われているほど「ファロウェラはコケを食べない」お魚だったのです。また、逆を返せば、
「お肉を食べれば、消化を助けるリグニンを摂取しなければならないから、コケを食べる」
とも言えます。


その他のお魚は、例えばストゥリソーマ(ロイファロ)の仲間は「プランクトンの死骸が90%を占め、わずかに枯れ葉・花が0.5%」です。ほとんどの種類のロリカリア科のお魚は『プランクトンの死骸』が主食のようです。。。
例外としては、スパトゥロリカリアの仲間が「水生昆虫36.7%、プランクトン死骸11.8%」となっており、また、このお魚は盛んに「フルーツ・種39.9%」を食べています。
そして、正に「コケ」を主食としている輩もいました。セゥドロリカリアの仲間がそれです。なんと「コケ類75%」と言うことですから、本当の『コケ取り』リーサルウェポンは、このお魚ではないでしょうか!?



まぁ、上の調査結果を真正直に捉える必要性は無いと思いますが、少なくとも、ファロウェラをはじめ、多くのロリカリア科のお魚は、我々が考えている「ベジタリアン」ではないようです。。。

そんなこんなを踏まえて、食事のメニューを色々工夫してみるのも楽しいかと思います!!


ファロ支部としては、コケは水槽のバランスの中の大事な一要素。。。発生するよりも何よりも水質の安定を心がけています。そして、発生したとしてもファロウェラやオトシン達が、それなりに食べてくれますから、目立たないようです。(コケが生えない水槽はない!)と言うか、多少のコケは気にしませんし、水槽が安定すれば、コケは目立つほど生えてきません。。。

そしてそして、一番大切なことですが、毎日“動物性タンパク質”を与えることによって、より活発にコケを取るようになるのです!!ですから、ファロ支部は毎日、「冷凍アカムシ」と「自家製冷凍ブラインシュリンプ」をたっぷり与えています。。。忙しい時や出張で家内や息子が給餌しなければならない時は、顆粒状のエサを適量、与えてもらってます。。。用意してあるのは、粗蛋白質含有率が高いエサ、と、まぁ適当にグリーンなエサ、の2種類です。


オトシンやプレコも基本的にはファロウェラと一緒です。お肉を食べれば、消化の為にコケをはじめとして流木や水草を食べる・・・。。。
一方で、プレコ用タブレットなどの「植物由来成分」配合のエサに慣れてしまうと、これ一つで動物性蛋白質もリグニンも摂取出来てしまいますから、、、そりゃ~、効率重視の野生の生き物、水槽のコケなんぞに興味を持つはずがありません。。。


いかがでしたでしょうか?思い当たる事ってたくさんありませんでしたか?
彼らは決して優秀な「コケ取り兵器」ではありません。。。茶ゴケをよく食べるのは、茶ゴケの表面につくプランクトン(ニュルニュルしたとこ)がその目的です。。。ポツポツの緑色のコケとか糸状のコケとか、、、確かに食べないことは無いと思いますが、それらの硬いコケからわざわざリグニンを摂取するより、より柔らかな水草の表面とか溶けた水草とか、生え始めたばかりの新芽なコケなどを食べた方がよっぽど効率が良いわけです。

予防手段の最強兵器として、彼らを上手く使い、コケと仲良く付き合いましょう!





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水面とガラスの接触部にくっつくなんか「白い線」。。。水換え時に気になりますが、取らないで残しておきましょう。。。彼らの良い栄養源になります!
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by ybkj | 2006-09-17 23:22 | 枝の飼育

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