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『オトシンが好きだ!』-「並オトシン」の検証

皆さん、こんばんは。気まぐれybkjです。。。

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世間一般的に、やはり「オトシンクルス」は見事なまでに誤解されているという事がよ~く判りました。。。
これって、一体のだれの仕業なんだろう。。。
こんなに可愛くて華奢なよい子達なのに、コケをちょっと上手に取るというだけで、どれだけの小さな命が消費されていってしまったのだろう・・・。



ちゃも君・・・、ぼ・ぼくはね、や・やっぱりさ、、、



『オトシンが好きだ!!』




そんなこんなで、「並オトシン」と呼ばれ、普通に「オトシン」として売られている「オトシンクルス」をしっかりと検証してみましょう。
しかし、ただ闇雲に“姿かたち”で追いかけたところで、種類を見極めるには複雑過ぎます。。。
ですので、産地、もっと単純に『どの国の“便”』からはるばるやって来たのかをクローズアップすることで、一つの解決策を見出したいと思います。

そんな訳で、、、


2008年枝支部ヴァージョンでお届けします。





枝支部では、去年の夏から「オトシンクルス」を本格的に飼育し始めました。
今年は無理だと思いますが、状態を見ながら繁殖にも挑戦してみたいと考えています。。。

では、早速、「並オトシン」として多く流通している「オトシンクルス」を検証しておきましょう。




先ず最初に、もうお馴染みとなりました Otocinclus macrospilus Eigenmamm & Allen, 1942 から。
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葉っぱの下にさりげなく写っているお魚は無視してください(爆・・・。
「O.マクロスピルス」のほとんどは『ペルー便』で輸入されてきます。特徴は前回お伝えしましたから詳しくは割愛します。

((特徴))
① 尾びれの付け根に丸い大きなブローチ、
② 唐草模様の背中、
③ 尾びれ付け根のブローチと体側の模様の間に隙間、
があれば本種です。

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ほらね、とっても特徴的ですから、覚えてしまえば、そうは間違えないと思います!






次に登場するのは、「オトシン」の代名詞的存在、 Otocinclus vittatus Regan, 1904 です。
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この写真の個体は、本種の特徴をあまり顕著に表していないのですが・・・。
「オトシンクルス」の中では最も生息範囲が広い種類で、アマゾン川上流、オリノコ川、パラグアイ川水系、それに、シングー川、トカンチンス川などにも生息しています。なので実際は、地域差がかなり色濃く出てしまう種類、、、なかなか本種であることをしっかりと見極めることは難しいんです。
上の写真は『ブラジル便』から購入した個体です。。。アマゾン川?パラグアイ川??

((特徴))
① 鼻の先から尾びれの真ん中までまっすぐ線が入る、
② 背中の模様と体側の線の間に細い隙間がある、
③ 尾びれの最初の「W」模様と①の線が繋がっている。
こういった特徴が認められれば、本種である可能性が高いです。。。
地域差、固体差がとても大きい種類ですので、見極められるようになるには、ちょっとばかり訓練が必要かも。。。

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この模様はやっぱり独特だから、判りやすいかな・・・?


((2008.03.03追掲載))
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こちらの個体の方が、「O.ヴィッタータス」の特徴を顕著に表しているので、追掲載いたします。。。
この模様の方が一般的で、よく見かける本種でしょうかねぇ~・・・。しかし、ショップではなかなか状態の良い個体が少ないのも、この模様の本種です。流通やキープの仕方に問題があるのでしょうか?


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ヒレを閉じてしまっているのですが、はっきりと特徴が掴めると思います。上の個体も下の個体も「O.ヴィッタータス」で間違えないのですが、地域差が出ている典型なので、参考のために掲載して置きます。。。




最後は、ここ2~3年、多く出回るようになった気がする Otocinclus huaorani Schaefer, 1997 です。
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本種は1997年に記載された、比較的新しい種類の「オトシンクルス」です。本種は体色の感じが「O.ヴェスティタス」に非常に似ているので、そう呼ばれていたのかもしれません。。。
こちらも比較的広範囲に生息しており、オリノコ川水系を中心にウカヤリ川やメタ川を挟む地域、または、アマゾン川上流の西側地域あたりが産地とされています。最近では、『コロンビア便』の「オトシンクルス」というと、本種であることが結構多くなって来たように感じます。

((特徴))
① 背中の模様と体側の模様の間にある隙間が、背ビレ付近から尾びれにかけて徐々に広くなる、
② 尾びれ付け根の模様が、小さな丸と三日月がくっついたような模様、(ばらつきが大きい)
③ 尾びれの最初の模様が「ハ」の字で後ろが「W」(不鮮明なのもある)、
の特徴が見られれば、本種であると言えるでしょう。
一見すると「O.マクロスピルス」や「O.ヴィッタータス」にも見えなくはないのですが、慣れてくればショップでも特徴が掴めると思います。

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上の2枚のように、微妙にくっついてしまっている個体や、すっかりくっついちゃってもはや三角形にしか見えない個体も結構多い。。。






今回ご紹介した3種類「O.マクロスピルス」「O.ヴィッタータス」「O.ファオラニィ」をもって、
『枝支部』的「並オトシン」と呼びたいと思います。。。


それでもって反対に、「並オトシン」に時々混じる、、、とっても、とぉってもありがた~い「O.フレキシリス」「O.マリアエ」「O.ボロロ」「O.アフィニス」「O.ヴェスティタス」「O.ハセマニィ」は「当たりオトシン」として扱いましょう!!



あっ、勝手に言っているだけなので、参考程度にしておいて下さい。。。
もう「オトシンクルス」について、思い残すことはありません・・・。





忘れられたら困るので、本職の『枝』を載せときます(笑・・・。
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BWに住む、この枝くん(「F.cf.ビッタータ」)は何故かアマノ・シュリンプと大の仲良し。。。いつも一緒にいます・・・。変なやつらだ・・・。





by ybkj | 2008-03-01 02:09 | おとしん

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