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「L134」について考える その壱 (飼育の巻)

よっしゃ~!勝ったぁ~!!5連勝!
って、今日はサッカーのお話。ご贔屓にしているチームが見事に連勝街道を突き進んでおりまして、かなり浮かれ気分です。。。
とにかくこのまま連勝して、J1残留!! 気合入れていきましょう。 

今こそ ! WIN BY ALL !! (関係している人しか判らないだろうなぁ~)


あっ、こんにちは。『枝支部』ybkjです。。。お魚の話、お魚の話、、、っと。。。

前回のエントリーで何故だか血迷って、“予告”なるものをしてしまいました(核爆・・・。。。
そしたら、思っていた以上に反響が大きく、引くに引けなくなってしまいました(滝汗・・・。。。

まぁね、プレコと呼ばれるカテゴリーの中では一番好きな種類ですから、いつの日かしっかりと取り上げてみたいと思っていましたし、また、小型プレコを飼育していく上でのヒントなんかも散りばめられれば良いなぁ?なんて考えてもいましたから、ちょうど良い機会だったかなって。。。

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という訳で、、、「クィンペ」ファンの方々、大変お待たせ致しました!(爆x2





本来なら『一種入魂』でピックアップするところですが、新しく『縞縞鎧鯰』というカテゴリーを作りましたので、そちらで掲載したいと思います。ついでに関連した過去の記事も、このカテゴリーに移動させておきましたので、ご興味のある方はあわせてご覧下さいませ。





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このお魚の名前は、もうご存知の通り「Peckoltia sp. "Tapajos"」(「ペックオルティア sp.“タパジョス”」と言います。日本での販売名・流通名はほぼ「クィーンインペリアルタイガープレコ」でまかり通っています。何故か外国ではそうは呼ばず、「レオパードフロッグプレコ」と言う全くセンスのない名前で呼ばれてもいますが、むしろ「L134」(エル・ワンサーティフォー)と言った方が簡単に通じるようです。
(記事では、簡単に打ち込めるので「L134」で統一致します。あしからず・・・)

出身は、名前にあるとおりマットグロッソに源流を発する『タパジョス川』。。。この川は、流域のほとんど(特に上流・中流域)が適度な清流で、しかも川底が砂礫で出来ており、ところどころ倒木や流木が沈んでいる、とても水が透明で綺麗な川なのだそうです。また、源流・上流域には多くの滝があるようで、滝から叩きつけられる水は多くのミネラル分を溶け込ませ、微細なしぶきは溶存酸素量をふんだんに含ませることに一役買っているのは間違えありません。。。これらの一般的な情報からすると、この『タパジョス川』はミネラル分と酸素を多く含んだ水質なのだと、容易に想像出来ます。そういった故郷の環境からフィードバックすると、このお魚の水槽飼育における水質が垣間見れるような気がしますよね!!(『タパジョス川』はサンタレンという町で本流『アマゾン川』に合流します。)

上記を踏まえた上で、本種の飼育条件を考えてみたいと思います。





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先ずはその食性ですが、一言で言ってしまえば「雑食性」(爆。。。“プレコ=草食”と思われがちですが、プレコと言われるお魚だけでも何十・何百と種類が居ますから、それぞれの種類によって食性が違うのは、当たり前と言えば当たり前なのですが。。。おっと脱線。。。話を元に戻しましょう。
で、この「L134」の食性ですが、同じ「雑食性」でも限りなく「肉食に近い雑食性」であることをきちんと理解しましょう。すでにお馴染みとなりました“リグニン”に関しても、意外と少ない量で消化できるようです。
『ロリカリア科』に属するお魚の食性について書かれている論文によると、本種ではないのですが、同じ「ペックオルティア」の仲間では、胃袋の中身の90%が幼虫の死骸や水生昆虫の死骸なのだそうです。植物性の食べもの、木の実と思われるものや枯葉の残骸等は、ほんの5%にも満たない量なのだそうです。
この“肉食”よりの食性は実際に飼育してみるとよく判るのですが、一方でコケには全く興味を示しません・・・。
そういった面からエサは、動物性のエサを主食にして、植物性のエサはあまり与える必要がない、、、というのが枝支部の結論です。

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『枝支部』では、ほぼ毎日「冷凍アカムシ」を与えています。水を汚すのでは?と、敬遠されている方も多いと思いますが、嗜好性が高いエサなので食べ残しがほとんどありません。水面に浮かんでしまった「冷凍アカムシ」も壁伝いに彼らが登ってきて、いつの間にかきちんと食べてくれます。。。しっかり太らせて健康を保持させるならば、本種に「冷凍アカムシ」は欠かせません。
「冷凍アカムシ」はお湯で解凍してから与えますが、準備が面倒っちくなる時もしばしば・・・。そんな時は「円盤状の沈下性タブレット」をあげています。円盤状のまま入れると、全員に行き渡らないので、適当にバキバキ砕いてから与えています。
もっと面倒くさい時は、「沈下性の顆粒エサ」を適当にばら撒いています。なるべく沈むのが早いエサの方が良いです。フレーク状のエサは水面に長く浮いているので適しません。。。
ちなみに、、、キュウリやほうれん草を与える方もいらっしゃいますが、それこそ飼育水を著しく汚しますので、お勧めしません。と言うか、そんなリスクの高いエサを与えなくても彼らは十分健康に育ちますから、与える必要は無いんですけどね!





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本種を飼育する際、「ストラクチャー」という考え方がとても重要になります。直訳すると“構造物”“建築物”となるのですが、この場合は、“隠れ家”とか“棲み処”と意訳した方がすっきりいきますね!
で、「ストラクチャー」って何?ということになるのですが、要は、個体それぞれが快適に生活できる空間(水間?)の事です。「L134」は、プレコと呼ばれる仲間の中でも、特に「ストラクチャー」を強く意識する性質を持っているようです。つまりは、自分のお気に入りの“隠れ家”を見つけて、運よく占領できれば、一日のほとんどをそこで過ごすってことに他ならないのですが。
そこで、、、水槽内には、出来るだけ多くの流木と石を入れてレイアウトを組んであげると良いです。流木の種類は何でもOK。長いもの、短いもの、細いもの、太いもの、枝状のもの・・・。立体的に空間を多く作ってあげればあげる程、彼らにとっては「ストラクチャー」の選択肢が増えることになります。
石については、それほど気を使う必要はないでしょうが、出来るなら水質をいじらない石を選ぶべきだと思います。その前に、、、石を立体的に積み上げるのは危険ですから、やらないようにして下さい。

色々な形の流木や石を、あぁーでもないこぉーでもない・・・、と組み合わせてレイアウトするのも楽しいですよね!まぁ~1週間後には水の泡。。。
住人たち(プレコ)が見事に破壊してグチャグチャにしてくれることでしょう・・・(爆。

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撮影のため、ろ過装置直結ディフューザー以外の水流装置は止めてあります。。。
ご覧のように、ものの見事に「L134」だけあまり見当たりません・・・。この水槽には現在20匹ほどの「L134」が居るはずなのですが、ぱっと見ただけだと2~3匹しか目視できませぇ~ん(爆。。。まぁ、ほんと、ものの見事に左右の「ストラクチャー」に隠れちゃっています。。。言い換えれば、それほど本種は「ストラクチャー」を大事にするプレコだという事の現れなんだと思うのです!
1頭あたりが所有する「ストラクチャー」は、自然界では直径30cm~50cm範囲と言われています。水槽内では普通に複数飼育するので、そこまで広い「ストラクチャー」は必要ないですが、だいたい5cm~10cmぐらいは最低でも欲しいかな?と思います。

水質は、俗に言う弱酸性が一番調子が良いようです。具体的にはpH6.0~7.0。こなれた水よりも新しい水の方が断然調子が上がります。水温はやや高めに設定してあげると活性がよくなりますので、低くても27℃はキープしたいです。溶存酸素は、考えられる全ての方法を使ってMAXにして下さい。水流も全体的に出来る限り速い方が良いですが、「ストラクチャー」に直接強い流れが通っていれば差ほど気にする事はありません・・・。
本種の飼育に水草は一切必要ありません。入れても何ら問題はありませんが・・・、飼育条件によっては食べてしまう事もあるかも知れません。まぁ、彼らの食欲が“肉”で満たされている以上、水草にちょっかいをだすことはあり得ませんけど・・・(笑。


「ストラクチャー」を「縄張り」と表現しないのは、特定の環境下(繁殖・産卵に関しての環境)以外では、あまり「ストラクチャー」に固執しないからです。追いやられたら、その場所を諦めてそれなりの場所を新たに探す・・・。
また反対に、仲間を水槽の隅から隅までしつこく追い立て廻すような事もしません。そうは言ってもプレコであることは間違えないですから、多少の喧嘩やイザコザはありますが、相手に怪我を負わせるようなことは一切しません。少なくとも我が家でそういった事件は起きておりません。
そんな感じなので、水槽内で激しい争いは全くなく、とても平和です。
この辺の性格は、どうやら「ペックオルティア」の特徴のようで、「ハイプアンシストゥラス」とは違うようです。





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えーっと、、、今回、彼らを撮影するにあたっては、多大な苦労と我慢を強いられました。だって、「ストラクチャー」からなかなか出てこないんだもの!
最終的にはエサで釣って表におびき出したわけですが、、、こんなに苦労するなら、何匹か捕まえて、お店のHPのようなお決まり“ポーズ写真”にすればよかったかな?と思っています。
まぁ~ねぇ~、、、売るわけじゃないから“ポーズ写真”ってのもねぇ~。。。普段の“活き活き生活感”が表現できないしなぁ~・・・。





温和で、広い縄張りも必要とせず、模様もきれいな「クィーンインペリアルタイガープレコ」こと「L134」。。。


なんか長々と書いてきたわりには、書こうとしていることが半分も終わらないんですが・・・。


という事で、2部構成にさせて下さい。。。(って、性懲りも無く、また予告かい!?)


決して、ネタの出し惜しみではありませんので・・・m(_ _)m。。。




by ybkj | 2008-10-07 15:03 | 縞縞鎧鯰

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